みなさん、こんにちは。
年末年始はいかがお過ごしですか?
我が家は先日、せっかくのお休みなので東京メトロ・都営交通が合同で主催している「天空ノ鉄道物語」スタンプラリーに参加してきました。
6駅のスタンプ設置駅でスタンプを押してから六本木ヒルズの会場入り口に行くと、台紙一台につきそらジローやポツリん、クモジローたちが描かれた可愛いハンドタオルが一枚もらえます。
各駅の券売機で東京メトロ・都営地下鉄共通一日乗車券が、大人900円、小児450円で買うことができるのでコスパとしては悪くないです。
ハンドタオルって結構よく使うんですよね。。
学校に行く前は子ども達に「ちゃんとハンカチやタオルは持ったの?」と声掛けをして持たせている我が家にとっては有難い景品です。
きちんとポケットにハンカチ・タオルが入っていて手洗い後にサッと取り出せる人は「ちゃんとしているな~」と感じてもらえそうなので「持っているだけでお得アイテム」のひとつなのです。
巡るのは6駅だけなので午前中から始めれば、途中でお昼休憩をしても夕方になる前には終了できるお手軽なラリーでした。
それでも万歩計は1万歩超。地下鉄なので乗り換えの時は階段を登ったり下りたり・・・。
いや~、疲れました。でも子ども達も最後までめげずにやり通すことができました。ご立派!
でも1番っ子は途中の電車の中で放心状態、2番っ子は15時過ぎから大きなあくびを連発していたのでかなりくたびれたみたいです(笑)
でも参加してみて毎回思うんですけど、スタンプラリーって地味だけど障がいを持つ子どもたちにとってとても有意義な活動なんですよね。
今回はその理由についてお話したいと思います。あくまでも我が家の場合を書いていますので興味がある方は参考程度にお読みください。
有意義な理由①公共交通機関をひたすら利用できる!=社会生活の訓練になる
まぁ、鉄道系スタンプラリーに限ったことですが、当然電車に乗りまくります。我が家は自家用車移動が基本なので、普段はここまで公共交通機関を利用することはありません。
その為このように公共交通機関を利用する機会を意識して持たないと、子ども達はほとんどバスや電車を利用せずに大きくなってしまうでしょう。
我が家は駅近ではないとはいえ公共交通機関はソコソコ充実している立地。
せっかくだから親としては障がいを持つ子ども達には、下記の理由(公共交通機関を利用するメリット)から将来の為にも今のうちから公共交通機関を利用できるようになってほしいのです。
共生社会 … 障害があってもなくても分け隔てなく、互いを尊重し、誰もが安心して暮らせる豊かな社会
出かけることの喜び 普通の地域生活
・ 学校に通える・遊べる
・ 仕事ができる
・人と会える
・ 余暇を楽しんで過ごせる
・ おいしい食事ができる
・ 買い物ができる etc...
安心感 経験 自信 地域生活の広がり
交通は社会を広げるための架け橋
我が子たちは軽度知的障がい児とは言え将来はできるだけ自力で、ルールを守った上で自由に社会生活を送ってもらいたいと考えているし、行政が生活や活動を保証してくれるなんてことはまずあり得ないので、様々な生活力や行動に必要な能力を養う必要があります。
ちなみに「養うとは」↓↓↓
4 育て蓄える。力や習慣をしだいにつくり上げる。「英気を―・う」「日ごろから実力を―・う」
そうです。生きていくために必要な力や習慣を日頃から・しだいに作り上げなくては。
我が子たちはソコソコではありますが「他人の目を気にする」能力はあります。そこで本人のプライドを守るためにも、身体が大きくなっても親の付き添いなしではバスや電車に乗れないなんてことになる前に、なるべく小学生のうちに慣れてほしいと思いまして、ちょくちょく公共交通機関系スタンプラリーには参加しています。
最近はだいぶ慣れてきたのか戸惑うことなく改札を通過できるようになりました。
しかし今回、1番っ子はきちんと順番を守り電車に乗り込もうとするその瞬間に「ドアが閉まります。ご注意ください」アナウンスが聞こえ、(ヤバイ、電車に挟まれる(;゜0゜)と思ったのか、あと一歩で車内というホーム上で立ち止まってしまいました。すぐに私とマイダーリンが気づいて「進んで!」と声を掛けながら腕を引いて車内に入れたので事なきを得ましたが・・・。ドアの前で立ち止まったらあとに続いて乗ろうとしている人たちに迷惑だし運が悪ければぶつかって怒られたりするかも。そうなったらあの子がきちんと対応できるか、様子を見る限りそれはまだ無理だと思う今日この頃です。そもそも発射前の電車のドアの目の前でいきなり立ち往生するなんて危ないから絶対ダメ(汗)
車内で改めて「『ドアがしまります』のアナウンスが流れても速攻で閉じる訳ではないし、車掌さんたちもきちんと安全を確認してから閉めるボタンを押すから慌てず電車に乗るんだよ」と言い聞かせました。
1番っ子はもうすぐ中学生。友達だけで遠出して遊びに行く日もすぐそこかもしれません。
少しでも不安をなくし安全に、周囲に迷惑を掛けずに出掛けられるように家族でトレーニングを積ませなければ・・・
下記の実験結果からもトレーニングを積み重ねることは有益であることが証明されていますし、これからも頑張りたいと思います!
今回の乗車実験からは、いくつものことが見えてきました。知的障害のある人は、経験的に感じていたように、やはり「文字」「数字」が苦手な事が分かりました。そして、それらは 10 日程度の支援では困難性が改善されないことも分かりました。
しかしながら、実際に毎日、乗車体験を繰り返していくうちにバスや鉄道に乗ることができるようになってきた人が45人中、34人いたことが分かりました。しかも、何か月・何年という歳月を要するのではなく、わずか 10 回の乗車実験において公共交通機関での交通移動が可能になる人がいるということが明らかになりました。
有意義な理由②色々な刺激に楽しみながら触れられる=感覚過敏対策トレーニング
知的・発達障がいを持つ人のなかには感覚過敏を持つケースが結構多いです。
2番っ子は聴覚過敏持ちです。
打ち上げ花火は綺麗で好きだけど音が苦手な為、夏の花火大会は泣きながら見ていました(汗)。
そして電車に乗った際はトンネル内や地下鉄内のキーンとなるカーブ音がダメなようです。
毎回辛そうな表情で耳を塞いでいます。
でも毎回鉄道系スタンプラリーを一番楽しんでいるのは、何を隠そう電車大好き2番っ子自身なのです。
凄い電車好きで将来は鉄道マニアになるであるうことは容易に想像できるくらい毎日電車の図鑑を眺めおもちゃを走らせ、日々忙しそうに過ごしています。
そんなわけで、この電車のキーン音は毎回頻繁に聞こえますが泣くことなく我慢しています。
好きだしスタンプラリーを楽しんでいるからこそ我慢できるのでしょう。
2番っ子に限らず感覚過敏は好きなことだったり楽しかったりする時に、意外と自分で上手にコントロールできることがあります。
キーン音だけではありません。
工事やアナウンスの音、大きな駅には人、人、人。お店等の匂い。
耳以外に目も鼻も刺激だらけです。
感覚過敏を持つ人にとっては刺激だらけで大変でしょう。
我が子たちは二人とも人混みも苦手みたいでいつも結構ヘロヘロですが、なんとかはぐれることなく付いてきています。
過刺激ななかで集団行動をする練習にもなります。
電車好き・家族とお出掛け好きにより乗り越えられるのなら、我が家としてはたくさん遊び、経験し、楽しみながらこれらの刺激に慣れるなり自分なりにコントロール出来るようになってほしいのです。可能なら大人になるまでに。
但し、無理は禁物ですよ。
乗り越えさせようと外野が頑張ると(本人に頑張ることを強いると)思わぬ事故に繋がりかねませんから。
あくまでも、本人が自然に頑張れるものを見つけてあげられたらラッキーぐらいに考えて下さい。
「感覚過敏」をまず理解し、見守る姿勢を
私たちができることは、まずはそういう感覚をもつ子がいると理解することです。極端に嫌がるときには、その子の脳の特性がなせる感覚が、暴走しているのかもしれません。そういう目で見守ってあげてほしいです。
感覚過敏(や鈍磨)は成長とともに弱くなることもありますし、逆に強くなることもあります。偏食などは諦めずに食べられるものを増やす工夫などをしていきたいところですが、基本は無理強いはせず、耳栓をするとか、着心地のよい服を着るなど、周囲の環境や物を変えることで対処しましょう。
有意義な理由③気力・体力がつく!
先述しましたが、鉄道系スタンプラリーをすると万歩計一万歩超をします。今回だけじゃないです。毎回です。
しかも今回は割りと緩やかな設定だったので、まだ楽な方でした。
それでも休憩も入れて四時間強くらいを費やしました。
時間をかけて物事に取り組むには忍耐力が必要です。
そしてこれだけの歩数を歩くということは当然体力もなくてはなりません。
いまはまだ小学生だから、気力・体力がなくても周囲の大人が気を使ってくれてなんとかできちゃうとも多いでしょう。
しかしこれが就労となると、ある程度は気力・体力がなければどこに行っても続けることはできません。
下記を見ても障がいを持つ人は就労にあたって、先ずは何よりも体力を身につける必要があると感じています。
就労移行支援
【利用者像】
○ 一般就労等を希望し、知識・能力の向上、実習、職場探し等を通じ、適性に合った職場への就労等が見込まれる者(65歳未満の者)
(具体的な利用者のイメージ)
・ 養護学校を卒業したが、就労に必要な体力や準備が不足しているため、これらを身につけたい
・ 就労していたが、体力や職場の適性などの理由で離職した。再度、訓練を受けて、適性に合った職場で働きたい
・ 施設を退所し、就労したいが、必要な体力や職業能力等が不足しているため、これらを身につけたい
就労を見据える際に社会性も大事ですが、与えられた作業を頑張ってこなせるだけの気力・体力も忘れてはいけません。
そういう意味では楽しみながら出来るスタンプラリーは気力・体力作りにはもってこいです!
有意義な理由④周囲を気にかけて行動する練習になる
①で我が子たちについて「周囲を気にする」能力がソコソコあると述べました。
この能力、知的障がいを持つ人には結構高度な能力なのです。
いずれ記事にさせていただくかと思いますが、人は幼児期後期に「大人の目」を気にして行動するようになり、小学校入学前後から「友達等同世代の目」も気にして行動するようになり、様々な経験を経て段々と「第三者、赤の他人の目」も無意識に気遣いながら行動できるようになります。
我が子たちは、この中間の「友達等同世代の目」を気にするまでは大分出来るようになってきました。
でも時々口の横に歯磨き粉をつけたままだったり変な格好で登校しようとしていることがあるので、母としてはまだまだ心配ですが・・・
しかしいずれは親の付き添いなしに社会活動をするようになることを考えれば、さらにその先の「第三者、赤の他人の目」も気にできるようにならなければなりません。
どういうことかと言うと、1番っ子の例が分かりやすいでしょう。
1番っ子の駅での行動は、放っておくとかなり迷惑です。
同方向に向かって歩いている人が後ろにいるのに、狭いホームをゆっくり左右にウロウロ歩いていたり、反対側から歩いてくる人がいるのに通路の真ん中を歩いて道を塞いでいたり。くたびれてから電車に乗れば空いている席に必ず座ろうとしますが、疲れ切った表情をして姿勢が崩し座席を二人分占領していたり・・・(怖)
本人は「自分は人に迷惑をかけてもいい」と思っているわけではないのですが、くたびれて余裕がなかったり周囲に気を掛ける能力が未熟である為に状況や危険性を察することが難しいようなのです。
しかし、だからと言って「障がいがあるんだから仕方がないじゃん。見逃してよ」で済ませるわけにはいきません。
社会の中で暮らしていく以上、我々も努力をしなければならないのです。本人が努力をしても難しいのならば方法や支援の内容を改めて考えれば良いのです。
栗原類さんも当事者として発信してくださっていますね。
周囲に迷惑をかけず、嫌な思いもさせずにわかってもらえればそれに越したことはないのですが、現実には無理だろうと思います。そもそも僕自身は、疲れていても頑張らなきゃいけないと思って毎日を過ごしているので、忙しくなって、頑張れば頑張るほど、その瞬間は「これ以上は無理だ」という客観的な判断ができません。そもそも疲れたときは、判断力がかなり落ちてしまいます。ゆえに、他人に迷惑をかけたくないと思っていても、自分が気づかないうちに迷惑をかける引き金を引いてしまうこともあります。
だからこそ、自分で管理していくことを無理に進めるのではなく、できるだけ頑張りつつ、家族やマネージャーなど周囲の身近な人につねにモニタリングしてもらっています。周囲の人にきっちりチェックしてもらうことで、一定のパフォーマンスは保てるし、自分の力を最大限に発揮できる環境が整います。その環境がなければ、どんなに頑張ろうという気持ちがあっても、結果は出せないのです。
社会生活上課題となるような場面が見られた際は言葉で注意し、「周りに人に迷惑をかけたり危なくないように気をつけるんだよ」とその都度言い聞かせています。
そのおかげか最近は通路の真ん中を歩くことは少なくなったし電車内の座席にも涼しい顔をしてシャキッと座りながら休めるようになってきました。
この課題も一緒に行動しなければ発見できなかったでしょう。
親として一つでも、障がいを持つ我が子の困難を未然に解決することができたのであれば本望です。
今回の冬休みは日帰り観光をいっぱいしました
スタンプラリーとは別の日に関東三大厄除け大師の一つに行ったり、さらに別の日には東京スカイツリーやそばにある浅草寺にまで足を延ばしてみたりしました。
いずれもかなりの歩数を歩き回りクタクタ・・・。
何年も意識して家族で出歩くことを楽しんできたおかげか、スゴイ人混みの中で逸れそうになったり機嫌を崩す等のトラブルなく観光して、疲れながらも穏やかな気持ちで家路につけるようになってきました。
いつも行く、浅草寺のそばにあるたこ焼き屋さん、スイートポテト屋さん、お団子屋さん、、、、どれもおいしかった!また行こう!!!