12月吉日。
1番っ子の学校で三者面談がありました。
軽度知的障がいを持つ1番っ子は技能連携校に通う高校一年生。
少し早いようにも感じますが、そろそろ卒業後の進路についてある程度は目星をつけなければならない時期です。
君はどうしたい?
今回の面談は進路について話し合うためのものです。
しかし先ずは何より1番っ子の気持ちが一番大事。
卒業したらどうしたい?
①何かを学びたい?
②就職してお金を稼ぐ?
③療育手帳を持っているんだから、障害者雇用枠も検討できるよ(特例子会社もあるね)
受給者証をもとにした福祉就労という選択肢もありますが、今回は敢えて外すことにし、それについては本人からも同意を得ました。
障がいを持つ人が働く場としてA型やB型、はたまた就労移行支援といった就労支援的福祉事業所は、全国各所にたくさんあります。
万を超えるくらい。
しかし1番っ子の現状は
- 身体的困難はない
- 精神面は安定している
- 自律して日常生活を送っている
- 学校や学級という組織に属し、衝動的な行動や危険なくルールを尊重して生活している
- 集団活動に参加できる
- 出された課題に主体的に取り組める
- 他者とのコミュニケーションは可能
- 友人はじめ人間関係も概ね安定を維持している
等などから「障害福祉サービスの利用者として働く場所を得る」ではなく、もっと他の段階からスタートしても良いのではなかろうかと。
但しやはり理解や考察する力の弱さ、こなせる課題の質については、本人がいくら頑張ろうとしてもどうにもできない面があるわけで・・・。
これらを踏まえた上で「三年後にはどのような道を選び、何をして過ごしていたいのか」を、面談前に尋ねてみました。
この手の質問は秋頃からそれとなーくしていたのです。
学校でも「卒業後に向けた進路の説明会」を夏頃からやってくれており、休日開催のものにも参加していました。
だから何となくは意識はしてるでしょ?
ちなみに休日開催の進路説明会は、親も参加OKだったのですが、2番っ子の土曜参観と被ったために私とマイダーは行きませんでした。
当日は障害福祉サービス系就労支援事業所や専門学校、大学等の職員さんが来て、色々話してくれたみたいで、たくさんパンフレットをもらって帰ってきました。
それ以降も、大学や専門学校のパンフレットを持って帰宅することがたまにあり。。。
文系・理系問わず、難関国家資格取得を重点的に目指したり、調理師さんやトリマーさんになるための専門学校、なかにはデザイン系や声優さんの学校もありました。
まさに多様性じゃ〜٩( ᐖ )و٩( ᐖ )وイエーイ
って、違うか。
(私)「まだ、一先ずコレっていうのがなくて色々調べているってとこ?」
① (*꒪꒫꒪)( ._.)コクコク
まぁ、そうだよね。
いままで「当然のごとく与えられる立場(児童・生徒)」があり、それで10年以上やってきたんだもの。
それがもうじき終わるからって、これからは自分で自分なりの目標や適切な場所・立場を決めてやっていきなはれなんて言われても、そう簡単に決められやしないよね。
だからこそ一年生のうちから考えなきゃいけないわけで。
親として
中学三年生まで1番っ子の家庭学習を支援してきた(というか、やらせてきた)身として一言。
大学と専門学校は無理でしょ、勉強苦手なんだから。
中学以降の問題集なんて、ほぼほぼ自力で解けなかったじゃん。
そんなストレートには言わなかったけどさ。
パンフレット内のカリキュラムには、○○論とかナンタラ概論とか、いかにもな科目名がたくさん書かれています。
学力的な入試なしで入れる学校があったとしても、進級・卒業はできないでしょう。
いまの学校生活のように、必要ならば特性に応じた配慮やサポートをしようとスタンバイしてくれる先生達がいるわけでもないし。
小学校入学時から支援級に在籍していた1番っ子には難しいことが多々あるはず。
でも「やりたいことがあって勉強したい」という気持ちがあるならば、それを否定することはしません。
勉強に限らず社会のルールを守り他者に迷惑をかけなければ、やりたいことには遠慮なくどんどん挑んでいってほしいです。
それこそが主体性だから。
自分の足で進んでいく力。
それをずっと持って、生きていってほしい。
でもこの話と進路をごっちゃにはできないです。
我が家は、大人になってからも、自分で選び、やりたいことをやって、それでも困ることなく生活していける力を身につけさせることが、子どもに対する親の仕事だと認識しています。
✕ ⇒ いまやりたいことをサポート
〇 ⇒ これから先、やりたいことがあれば自力でできるようするための「基盤作り」をサポート
と考えたら、卒業(入学も)できないだろうと予測される場所に「そっかー。じゃあ挑戦してみるー?!」と先の見えないサポートに手出しするのは、ナシです。
それよりもいまは「社会に出て、生活できる収入を稼ぐ青年」になれるよう背中を押さなければ。
収入基盤を自力で確立できれば、「楽しむ」をできる範囲で思うままにすればいい。
仮面ライダーのイベントにも好きなように行けるよー。
去年はWヒーロー夏祭りに行ったり、本物の俳優さん達が出演する舞台も見に行って楽しかったね!
映画だって気になる作品があれば色々観れるよ。
イオンのデビットカード作ったし、イオンシネマとかならネットでチケット取れるからいいじゃん!
自分の収入があればもっと参加できるようになるよ。
きっと母がいなくても、よっぽど遠方じゃなければどこにだって行ける。
なりたい職業ができて勉強したくなったら、自分で稼いだお金でやればいいさ。
新しいことに挑戦する時だって、収入基盤があるかないかで精神的な余裕はだいぶ違うんだぞ。
それが大人ってやつ。
自己責任に基づく生活をするからこそ自由を手にできるんだぜ!!
母さんは君ならできると思っているよ!!
先生の見立て
で、三者面談でのこと。
机に書類を広げた先生が最初に切り出したのは、出席日数についてでした。
(先生)「入学してから無遅刻無欠席です。すばらしい」
いえ、入学式当日にバス時間間違えて駅まで猛ダッシュ(めっちゃ長距離)したけど集合時間に間に合いませんでしたよー、この人 (̨̡ ᐛ )̧̢アホ
喉まで上がってきた言葉を押し込み、親子二人黙って頷きました。
皆勤を称えたりはしない昨今だけど、社会人になったら急な欠勤は最低限、決められた時間までに出勤して仕事に取り組むというタイプの人材になった方が良いわけで。
「大人としての信頼」における基本中の基本だもんなぁ。
周囲があーだこーだしなくても、1番っ子はいまの時点でちゃんとそれを身につけているということですね。
良かった良かった。
で、その後に見せられた書類はテストの点数表。
難易度はめっちゃ簡単なものなのでしょうが
(先生)「最近のテスト結果は夏の点数より下がっていますね〜」
らしいです。
まぁ、そうでしょうね。
1番っ子は中学レベル以上の勉強、特に思考を必要とする問題は全然解けません。
暗記は・・・単純なものくらいならできるかな?
文章中の【 ⠀】に入る単語を書きなさい
みたいなやつとかね。
漢字二文字程度の答えまでなら、まぁなんとか。
しかし数学とか国語の読解問題、理科の計算、英語の文章題等はてんでダメです。
中学時代にマンツーマンで教えても自力で解けるだけの力は得られなかったので、この指摘は当然の結果なわけで。
思わず本人を前にして
(私)「この人にとって、勉強は難しいですよねー」
とストレートに言ってしまいました、私。
先生は否定せず。
そして本人は無表情で微動だにせず。
みんなで「うん、そーだね」という暗黙の了解を醸し出していました。
必然的に話題は大学以外の進路に。
(私)「自宅に専門学校のパンフレットがいくつかあるけどコレをしたい!という目標はないみたいです。専門学校って言っても入試に合格できるか微妙だし、推薦とかでうまいこと入学できたとしても進級や卒業はできないと思うんです。でも就職についてもあやふやでまだ大まかな道筋もできていないみたい」
なんてことを話すと、先生は
(先生)「専門学校は多種多様だから入れる所もあるかもしれない。でもそういうところは卒業後の就職先が見つからないことが多いんですよね」
と。
ムム、それは困る ( ˘•ω•˘ ).。oஇ
結局元も子も無いという展開ではなかろうか。
(先生)「進学ではなく就労するならば、一般就労と手帳就労・福祉就労という手があります」
先生が言う手帳就労とは、障害者雇用や特例子会社への就職を指しているのでしょう、多分。
(先生)「まだ、就労するのは不安だなーと思うならば、訓練校という手もありますよ」
先生が見せてくれたパンフレットは、最寄りの障害者能力開発校のものでした。
この学校は障がいを持つ人を対象とした職業訓練校であり、国や自治体が設置や運営をしています。
授業料は無料(その他費用はあります)。
コースは障がい種別や習得したい技能別に別れており、各期間は数ヶ月から一年以上など様々。
就職活動やその後のフォローアップ支援もしてくれます。
それ以外に、障がいの有無を問わない職業訓練校(授業料有)についても話してくれました。
当然、障害種別に分けることもしていないので、本人の関心ややる気さえあれば受講コースを自由に希望することができます。
(先生)「訓練校はいくつかあるけど、1番っ子さんなら職業実習をすれば、すぐにでも手帳就労は可能かと思いますよ」
この高校は商業系技能連携校なので、実習という名の企業等体験がカリキュラムにあります。
一年生の冬から徐々に始まるそうです。
なぬ?
ということはつまり「このままの調子で授業に参加し学校を卒業すれば、社会人になっても大丈夫じゃないか」ということ?
すごいじゃーん!
いまの君を見て、ちゃんと社会人になれそうだってー(ノ∀`*)ノ))Å`)
長いこと頑張ってきて良かったね。
しかし当の1番っ子はひたすら無表情・無反応。
そういえば中学の三者面談でもこんな様子だったな。
そういう自分設定モードでもあるのか?
こういうところが自閉症たる謎(?)なんだよなー。
まぁいいや。
結局どうする?
1番っ子そっちのけ(無反応だからそうせざるを得ない)で私と先生の二人で話を進めてしまいましたが、結局
「高校選びと同じく、決めるのは本人」
ということで面談を締めくくりました。
但し、高校選びとは状況が違います。
中学生の時はこちらの希望日時に合わせて高校見学をさせてもらったりできたけど、今回はそれを受け入れてくれる企業等はありません。
そりゃそうだ。
将来の仲間を募集すると言っても、学校と企業じゃ全然立場が違います。
訓練校の見学はあることはありますが、「来年度入校希望者のみ」で日程指定もされているケースばかりだし、日数も少なく。。。
いまできることは、「限られた情報で先ずは話し合い」「イメージの共有をしつつ、学校の授業や実習を通して考えを深めていってもらう」くらいしか思い浮かびません。
とりあえず選択肢が複数あるというのは素敵なこと。
より良い未来に向けて、幸せな人生に向けて自分の足で歩むための更なる一歩を、しっかりと踏み出そうぜ!
まだ時間はあるから大丈夫。
母は全力でサポートするぜよ☆。.:*・゜