皆さん、こんにちは。
前回は知的障がいを持つお子さんでもきちんと毎日コツコツ学習をすることの大切さを、元・障がい児者支援職の人間視点から述べさせていただきました。
学習と言っても、学校の勉強に沿った内容でなければならないというわけではありません。
特に重度の知的障がいを持つお子さんにはそれは難しいでしょう。
毎日コツコツ学習を行った方が良い理由は、要は面白くないこと・興味のないこと・面倒なことでもきちんと取り組みやりきる習慣を身につけることができるからです!
この習慣は自力で出来ることは他人にやってもらおうとせずに自分で取り組む自律の習得にも役に立ちますし、成人後は作業や就労の場でも必ず必要とされます。
というよりも、これが習得されなければ学校卒業後の社会生活において周囲から相手にされなくなるか、組織のお荷物扱いをされる可能性が高くなるでしょう。
なぜなら障害福祉サービスの現場は職員の定着率もよろしくなく万年人手不足であり、利用者さんに対する支援者数は少ないのです。
他にも支援しなければならない人がたくさんいる中で「本当はできるけど自分ではやりたくない・ひとにやってもらいたい」という気持ちが垣間見える人の為に多くの時間を割いている余裕はないのです。
逆に何らかの障がいを持ちながらも、きちんとやるべきことはやり黙々と取り組むことができる人は、当然周囲から高い評価を得ることができます。
お子さんが周囲の支援者や社会から高い評価を得て好印象を持って接してもらうようにするためには、自律をした上で求められる作業や就労をきちんとこなそうとする姿勢を身につける必要があるのです。
パズルは学習の導入に最適
私の経験から言えば、木製パズルは重度の知的障がいを持つお子さんにも取り組みやすい学習道具です。
簡単なものが多く、出来上がり像=ゴールが分かりやすいからです。
着席して読み聞かせを聞いたり簡単な仕分けや書写等をすることが苦手なお子さんでも、比較的静かに集中して容易に取り組むことができました。
こちらは優しい色合いを使いつつ、数字の他に食べ物をの形のピースもあり親しみやすいパズルです。
「お片付けの練習」たま転がしBOX
「自分でお片づけ」といえば、軽度・重度問わずほとんどのお子さんが苦手な自律動作です。
親御さんや家族が日常的にお子さんに代わってお片づけをしてあげているご家庭の場合は特に顕著です。
しかし支援者側からすれば、気になるおもちゃを片っ端から出すことができるのならば当然片付ける動作も本当は出来るよね!?ということになります。
まずお片付けの習慣や動作を身につける、それ以前に「お片付けしてね」という親御さんの声にきちんと答えられるようにするにはたま転がしBOXがとても役に立ちます。
知的障がいを持つお子さんは、単純にものが転がり落ちる様子を見るおもちゃが好きなことが多いです。
このようなお子さんには、まず親御さんがボールをお子さんに手渡して「あの箱に入れてね(お片づけしてね)」と誘導すれば結構すんなり応えたりします。
これができれば「入れて(片づけて)」という言葉を理解している可能性があり、また理解していなくてただボール転がしをしたいだけな様子の時でも親御さんの誘導と楽しく遊ぶことを繰り返すうちに、お片づけのことばを理解するようになります。
それを他のおもちゃや入れ物に少しづつスライドさせていくことにより「自分でお片づけ」動作を身につけ習慣化することが可能になります。
いかがでしょうか?保護者としてではなく元支援者として時々このようなネタを小出しにしていこうかなと思うので今後ともよろしくお願いします。