みなさんこんにちは。
中学一年生の我が家の1番っ子。
再来年の今頃には、既に卒業後の進学先が決まっているのでしょう。
現在、通っている中学校では支援級に所属しています。
ちょうど今から1年前。
小学校卒業前に「見学」という形で親子で学級活動にお邪魔しました。
その際に、私は「先生から卒業後の進路については早めに動き出すように」とこっそり指示されました。
詳しくは↓↓↓
その言葉に従い、説明会があるというならば速攻で予約しました。
結果、コロナの影響で少なくなってしまった僅かな参加枠を無事にいくつか取得できたのです。
今回は、その中の一つである養護学校分教室についてお話したいと思います。
その前に1番っ子のスペックを説明
障がい児として・・・
これまで散々言ってきましたが、軽度知的障がい児(+ASD+ADHD)です。
幼児期に療育手帳を申請した際に、「B2」と判定されています。
「知的障害児」の判定は、IQの他に日常生活能力や保健面・行動面等の状況も見て判断されます。
- 程度別判定の導き方
- *知能水準の区分
- I ・・・ おおむね20以下
- II ・・・ おおむね21~35
- III ・・・ おおむね36~50
- IV ・・・ おおむね51~70
- *身体障害者福祉法に基づく障害等級が1級、2級又は3級に該当する場合は、一次判定を次のとおりに修正する。
- 最重度 → 最重度
- 重度 → 最重度
- 中度 → 重度
保健面・行動面について「保健面・行動面の判断」によって、それぞれの程度を判定し、程度判定に付記するものとした。
その為軽度知的障がい児の中には、本人の話し方や判断力を見て「そこまで実知能自体は低くないだろう」と思われるようなお子さんも、実際にはおります。
(現在、障がい児相談支援の現場では軽度知的障がい児の案件が急増傾向にある事実とその理由は・・・本当に色々で「コレ!」と絞ることは難しいです。お察しください)
しかし1番っ子の場合、理解面や判断力、それによる話し方や行動を見た限りでは
知能面そのものに障がいがあるであろうことは、もう確実です(2番っ子も)。
会話する能力や言語は年齢相応に期待されるよりも未熟で、コミュニケーションが難しい傾向があります。相手の話を正確に理解することが難しい可能性があります。
しかし、社会的不利を補うように考案された教育を受けることで、能力を向上させ、小学6年性程度の学力を得ることができます。言語習得が幾分遅れるものの、多くの場合、日常生活に必要な会話ができます。発達の進度が正常よりかなり遅いとしても、食事や洗面、着替え、排泄など身のまわりのことは自分でできます。
身辺自立はできています。
最近は将来に向けて、料理や洗濯、皿洗い、買い物、公共交通機関の利用等々、「自立の幅」を広げているところです。
言葉によるコミュニケーションは取れますが、他人様に「上手に説明すること」は苦手です。
色々な経験を重ねた結果、幼少期までは物怖じしない性格でしたが、思春期に入ってからは他人様に対してはかなり臆病と言うか(よく言えば)シャイな感じになってしまいました。
挨拶やお礼、謝罪などもはっきり伝えることができないので、それを克服する(というか、「それなりに伝えること」が出来るようになる)ことが当面の目標です。
中学生として・・・
支援級に所属していますが、主に数学と理科以外の授業は普通級で受けています。
定期テストも受けていますが、結果を見た感じ点数自体は最下位ではないかと思います。
ほぼ毎日、「中学生」としての学習に取り組んでいます。
国語、英語、社会も去ることながら、数学も理科も付きっきりで私に教わりながら、教科書を見て(ときに教科書のなかの問題にも取り組み)学校から購入した問題集に取り組んで解いています。
普通級の生徒と同様に、テスト前には問題集の必須範囲をやりきって全教科提出しています。
テストの点数は最下位レベルですが、取り組み自体は高く評価されています。
イヤイヤながらも(笑)、毎日真面目に頑張っています。
それでも、テストという形で一人で問題に取り組むと「最下位レベル」なのです。
上記引用にもありました
社会的不利を補うように考案された教育を受けることで、能力を向上させ、小学6年性程度の学力を得ることができます。
を、体現しているような現状です。
そして、なんだかんだで剣道部に所属して頑張っています。
放課後の練習は休むことなく参加しています。
時々、「ともだちはいない」と言います。
それを聞くと親である私はチクリと胸が痛みます。
でも日々の言動をよくよく聞いていると
「今日は(支援級の)友達の〇〇と△△して楽しかった」
とか
「剣道部の友達と◆◆した」
とか話しています。
1番っ子の言う「ともだち」がどういう人なのかよく分からないので、気にすることはやめました(笑)
でも時々普通級の複数の子から揶揄われて困り、トラブルになり掛けては先生に介入してもらったりしているみたいです。
また支援級の生徒であることを良いカモと捉えられたのか、中学校に入学して早々に上級生の集団に絡まれることが複数回ありました。
上記記事に書いた上級生達とは違う集団にもターゲットにされたこともありました。
上級生集団Sについては、真面目に相手するのもバカらしいので学校に介入してもらうことなく、私とマイダーリンのタッグでさっさと取っ払ってやりました。
中学生にもなると、本当に色々なことがありますね ┐(´д`)┌
(これについては機会があれば今後お話したいと思います)
養護学校分教室とは?説明会に行ってみて分かったこと
養護学校とは、言わずもがな障害を持つお子さんが通う学校です。
知的障がいの他に身体障がいや病弱等様々な困難を有するお子さんが通っています。
入学するお子さんは、原則障がい者手帳の所持が必要です。
私は看護学生の頃、実習で養護学校に行ったことがありました。
当時は一クラスの生徒5人に対し、先生は3人ついていました。
いわゆる一般的な普通学校の支援学級よりも手厚さははるかに上でしょう。
で、今回はその養護学校の分教室の学校説明会に参加してきたのです。
分教室?なんじゃそりゃ???
って感じですよね。
私は障がい児者支援の仕事をしているので、これまで小学生対象の養護学校分教室とは多少なりのお付き合いはありました。
そこは養護学校本校に小学部を設けるだけのキャパがない為に、一般的な普通小学校の敷地の一角に分教室を設置していたのです。
養護学校分教室小学部に通うお子さんは、その小学校の所属ではなく、住所の異なる養護学校に所属します。
小学校入学以前に「養護学校に通うことが望ましい」と判断されており、大抵は重度障がいや重複障がいを持っています。
その為中高生の年齢になると、ほとんどのお子さんが養護学校本校に進学します。
しかし今回本題の分教室はこれとは反対に、高校生の年齢になった軽度知的障がいを持つお子さんが通う場所として、公立普通高校の敷地の一角に設置された場所なのです。
設置というか間借りみたいな感じなのでしょう。
校庭や体育館、視聴覚室、売店などは普通高校の学生同様に使用できますが、学習活動の基本となる教室は3部屋だけ。
部活動は普通高校の方には参加できず、養護学校の活動としてのマラソン部かバスケ部が週に1回あるのみ。
そして小学校にある分教室や本校のような送迎バスはありません。
その為入学に必要な条件として、原則「自力通学が可能」であることが求められます。
入学すれば一見公立普通高校に通っているように見えますが、所属は養護学校です。
その為卒業しても高卒資格は得られません。
ここに通うお子さんのほとんどは、入学前は養護学校ではなく一般的な小中学校に通っていました。
小学校入学から中学卒業までの9年間の間全てを支援級所属ではなく、普通級所属で生活したことがあるお子さんもいます。
一見すると分かりにくいでしょうが、軽度とはいえそれぞれに様々な困難を抱えています。
現在は一学年あたり10人~20人程度のお子さんがいるそうです。
授業時間は一コマ40分程。
水曜日は午後の授業はありません。
国語・数学・理科・社会・美術・音楽・情報・体育等の一般的な授業があり、体育以外は学年ごとに行っています。
また理科・社会は一コマ内で両方するとのこと。
「さすが養護学校」というか、教材にはどの子も理解できるように必要ならばきちんとルビをふってくれるそうです。
遠足もお泊り学習も修学旅行もあります。
文化祭は普通高校・養護学校本校の両方に「見学」というかたちで参加します
(今年度はどれもコロナで色々難しかったでしょうが)。
週に2日は「丸一日職業訓練」だそうで、近隣の学校や各企業に出向いて職業体験をすると、その様子の写真を見せてくれました。
主に清掃中心の仕事なのかな?という印象でしたが、実際にその風景の写真を見せてくれたり具体的な企業名をあげてくれたり、とても分かりやすく親切な説明でした。
仲間や理解ある先生と共に、学生として卒業後の就労に向けてゆっくりと、しかし着々と確実に学ばせようとしていることが分かりました。
説明会に参加して意識の変化が・・・
1年前の私にとって、高卒資格が得られない養護学校は進学先候補の範疇にありませんでした。
高卒資格があった方が進路の幅が広がるだろう、と。
しかし、中学に入学して様々な課題や困難に直面してみて思ったのです。
幅の広がりも大事だけど、質の充実も重要だと。
軽度知的障がいを持つが故に小学校6年生から上の学力の習得は困難である以上、18歳以降は学生を主として生活することは無理でしょう。
ならば成人する前に、何らかの形で社会人として働くことになるはずです。
中学校を卒業後は、学生として過ごすのはこれで最後になるでしょう。
残るは3年だけです。
幼さの面影ある小学生時代は可能性を求め、少しでも幅を広げるように頑張ってきました。
そして中学生であるいまも、そのままの勢いでいます。
しかし中学卒業後は残された時間の中でいまある能力を深め、自信と安心を得る必要があるのではないかと、現在はそう感じるようになったのです。
小学校入学時から支援級に所属し、先生方にはたくさんのサポートをしていただきました。
しかしそれに甘んじることなく、出来ることを精一杯やるように、支援を得られる立場を利用して安易な考えや行動を身につけないように、頑張ってきました。
もちろん1番っ子自身も。
というか障がい児者支援を職業とする立場から見て、なんだかんだいって1番っ子は有する能力以上に頑張ってきました。
紆余曲折したり真っ正面からぶつかり合ったり色々ありましたが、本当に本当によく頑張りました。
そして中学校も変わらずよくやっています。
この頑張りは必ずや生涯の宝になると、1番っ子の強みになるからと、
卒業までこの調子で行ってほしいと思って、私は陰ながら応援し続けるつもりです。
しかし中学卒業後は努力する意識やこれまでの習慣は保ちつつも、これ以上頑張るのではなくリラックスして1番っ子らしくのびのびとした学生生活を送ってほしいとも考えています。
時には辛いことや苦しいことがあってもずっと頑張ってきたんだから
それによって十分なものを自分の手で得ることが出来たんだから
最後の3年くらい、1番っ子らしい学生生活を送らせてあげたい。
楽しい思い出をいっぱい作って
大人になったときに「学校に通って楽しかったなぁ。良かったなぁ」って
振り返ることができるようにしてあげたい。
勉強も分かる範囲でソコソコやるのでしょう。
その上で数年先を見通して、特性に合った職業訓練も受けることができます。
それには養護学校特有の地域ネットワークや歴史、信頼感があります。
そして似たような困難を抱える仲間が周りに多くいます。
一緒に切磋琢磨し成長することでしょう。
中学校のように思春期にありがちな集団心理から来る揶揄いの標的にされる心配も少ないはずです。
そんなものに晒されて辛い思いをすることもない。
気持ちを奮い立たせて向き合わなくても済む(本人が知らない間に陰で私とマイダーリンが決着をつけたこともありますが)。
学生生活最後の3年間。
将来に向けて学びながら、楽しくて心安らかな学生生活を送らせてあげられるのかも・・・。
そう思うと、「養護学校分教室でもいいのかな」なんて思う母心が、いまはあるのです。
1番っ子(中一)の現在の気持ち
そんなことを1番っ子に分かりやすく掻い摘んで説明してみました。
数か月前は1個上の友達が進学予定だということで分教室に自分も進学したいと言っていたので、「母さんも良いと思うよ」と。
そしたらそしたら、まさかの回答が。
「剣道部に入りたいけどないの?
それなら他の学校を探したい」
・・・・・・・・・
なんだそりゃぁぁぁぁぁ!?
まさかの部活!?!?
剣道未経験から剣道部に入部してもう少しで半年。
君にとって剣道は、そんなに大きなものになっていたの!?!?!?
ビックリすると共に「いま、学校生活の中にそんな風に大切に思えるものがあるんだ」というなんだか嬉しい気持ちと、「将来のことを考えると、進路を部活主軸に考えて良いのだろうか」という不安が何度も交差します。
まだまだ先のことのように感じる中学卒業後の進路ですが、早くから説明会に参加したり本人とじっくり話し合ったりすることは本当に大事ですね。
たくさんの想いがそこにはあります。
そしてまだまだ時間もあります。
コロナ禍の為にじっくりと説明できる会はありませんが、これからもできる限り幅広い進路を見据えて、様々な学校の説明会に参加したいと思います。
どうか親の想い、支援者の理想だけでなく、1番っ子本人にとっても良い進路を選ぶことができますように・・・・。
今日も読んで頂きありがとうございました☆