我が子も利用している放課後等デイサービス。最近では全国的に事業所が増え、数万人の支援を必要としているお子さんたちが通っており、その数は年々増加しています。
ではここで言う「支援を必要としているお子さん」とはどんなお子さんたちなのでしょう?
放課後等デイサービスの対象となるお子さんは主に以下の3つです。
- 身体に障害がある児童
- 知的障害のある児童
- 精神に障害がある児童
すべての項目に「障害」の字があります。これを見ると、放課後等デイサービスを利用するためには事前になんらかの障害を持っていると関係機関で認定してもらう必要があるように感じますね。しかし実際はそんな必要はないんです。
放課後等デイサービスを利用するために必要なのは障害児認定ではありません。
ではなにが必要なのでしょうか。
少し話が逸れますが、我が子たちは「B2」という軽度知的障害児です。地域の児童相談所で療育手帳を申請した際に、心理士さんに発達心理検査をしていただきました。
2時間近く掛けておもちゃやイラスト、様々な質問を駆使して多方面から知能年齢をアセスメントしました。長時間淡々とやるものなので飽きてしまい途中からグダグダでしたが、心理士さんたちも慣れているため根気強く対応してくれました。
そんなこんなで検査から約1ヶ月後、「軽度知的障害」を有するという意味の「B2」判定を記された療育手帳が交付されたわけです。公的機関で時間と手間を掛けて取得した療育手帳ですが、これを放課後等デイサービスに持っていったところで利用希望者として契約は出来ません。
放課後等デイサービス利用契約に必要なのは「受給者証」です。
「受給者証」とは、国や自治体の公費を利用して福祉サービスを受けることができることを証明するための公的書類です。年収に応じて自己負担金もあります。認可保育園と似たようなシステムですね。
放課後等デイサービスを利用したいと申請する際の窓口は、児童相談所ではなく自治体の役所の障害福祉関係窓口となります。
受給者証を取得するためには、役所の障害福祉関係窓口に行きましょう。
役所の障害福祉関係窓口の職員さんに放課後等デイサービスを利用したい旨を伝えると、まず利用したい放課後等デイサービス事業所は具体的に決定しているのかを聞かれることがあります。
見学を済ませていたり希望する放課後等デイサービスに相談済みである場合はその旨を伝えましょう。そうでない場合は、地域にどのような施設があるのか教えてくれます。
その後認定調査員という人から、障害福祉の観点から現在どのような支援を求めているのか、これまでの発達過程などの聞き取り調査があります。
しかし窓口に相談時に療育手帳を所持している旨を伝え提示すれば、聞き取り調査は省略されることもあります。また療育手帳を所持していない場合でも、公立学校の支援級や通級教室に所属している、(⬅こちらも障害児認定なしに所属できることがあります)、修学前になんらかの発達支援機関を利用していた等の場合も省略できることがあるそうです。これらがあると障害福祉サービスを必要としているお子さんであると判断されやすいため、その分調べる手間が省けるのでしょう。
お心当たりがある場合は忘れず提出または申し出ましょう。
役所で相談したあとは・・・
受給者証交付の許可が降りたあとは、相談支援事業所に相談に行きます。ちなみにこちらの利用も受給者証が必要です。
ここでは日々の生活について相談します。お子さんの状態や様子に応じて、放課後は「月曜日はA放課後等デイサービス」「火曜日は学童クラブ」「水曜日は習い事」・・・など大まかな日常の予定を立て、必用な福祉サービスを検討するのです。
そしてそれに基づいて、利用したい事業所と直接契約をします。
色々なところで手続きをしなくてはならないので保護者の方はちょっと面倒臭いですね。でもこれが終われば晴れて障害福祉サービスを公費で利用できます。
まとめ
要は受給者証を取得する際に障害児認定をする機会はなく、如何に障害福祉サービスが必要かが重要な観点になるのです。
「普通級に通っているけど昔から発達に気になる点があり現在も友達付き合いが苦手」などでも、きちんとお子さんやご家族の現在の辛さや福祉サービスの必要性を伝えれば役所の人たちも分かってくれる、というよりは、うちの子は支援が必要です。助けて!と訴えている人に「いや、支援なんていらないでしょっ」と突っぱねる窓口スタッフなんていません。いないはずです。
うちの子は障害児じゃないけど、放課後等デイサービスは使えないのかな?本人のためにもその方がいいのかな?と少しでも感じている方は是非思いきって相談してみましょう。きっといい方向に進みます。
おまけ
「放課後等デイサービスってよく聞くけどどんなところ?」「色々あるみたいだけど分からない!」という方は↓↓↓の本をご参考にしてみてはいかがでしょうか?
本当にいろいろな特色を持った事業所があります。お子さんに合ったところを探してあげてくださいね。
放課後等デイサービスハンドブック 子どもたちのゆたかな育ちのために [ 障害のある子どもの放課後保障全国連絡会 ]
himawari0growing.hatenadiary.jp
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