年齢=障害者家族歴な主婦のドタバタのほほん日和

重度自閉症者のきょうだい児として育ち、結婚後は軽度知的障害児二人の母になりました。障害支援分野でNsをやっています ☆

別れと夢と成長と

いつのまにか4月になっていました。

春爛漫。

桜吹雪と生え始めた雑草の緑色のコントラストが何とも良い感じです。

そよ風が気持ちいい。

日差しも柔らかくてポカポカ。

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2番っ子と筋トレだのダンスだのを YouTube 観ながら毎日やっているので

私はしょっちゅう汗だくです。

しかし頑張っているのになかなか痩せない。

2番っ子も。。。。

身長がほぼ同じになり、体形も然りな私たち。

2番っ子は今度4年生になりますが、私とはいまでも仲良し親子でいてくれています。

そんなわけでいつも一緒に並んで歩いているのですが、最近よく言われるんですよ。

「遠くから見るとどっちがどっちだか分からない」と。

私、20代の頃は40kgあるかないかだったのになぁ。

親子ってやっぱり似てしまうものなんですね・・・・orz

 

 別れと出会いの春

ついこの間、2番っ子は我が家で静かに涙を流していました。

理由は「大好きな先生の異動」。

二年生では普通級の担任、三年生では支援級の先生となり(担任ではなかったけど)

いつも身近にいてくれた先生とのお別れの発表があったのです。

出会った当時は先生になりたてで初々しさを感じさせながらも

親しみやすさ全開に一生懸命関わりを持とうと頑張ってくれたお兄さん。

おかげで2番っ子はあっという間に「先生大好き~☆」になりました。

家では拙い言葉でいつも先生の話をして

学校でのことを思い出しては大きな声で笑っていました。

 

この一年は休み時間に教室で、新聞紙ボールとペットボトルバットを使って

先生と支援級のお友達と毎日野球ごっこをしていると嬉しそうに教えてくれていました。

野球なんてやったことないし、テレビでちゃんと観たことすらないのに

休み時間にする野球ごっこが楽しくて嬉し過ぎたのでしょう。

帰宅後も家でペットボトルを手にして

一生懸命素振りの練習をしていました。

 

しかし・・・

「中学生になったら野球部に入るんだ」

いつの間にかそう言うようになった2番っ子。

「野球って面白いんだよ」

でもいつもやっている野球ごっこは本当の野球とは全然違うんだよ。

「野球大好きだから大きくなってもやりたいんだ」

本当の野球のルールは君の理解力では分からないんじゃないかな。

それに君は中学校も支援級に行くから野球部には入れないよ。

未経験のスポーツだし、集団競技だからダメって止められるよ。

1番っ子の剣道部すらすんなり入れなかったんだから。

無理だよ。

 

なんだか複雑な気持ちになりつつも、笑顔でやる気満々の2番っ子を見ると

「よかったね」

としか言えない私がいました。

先生に「4年後に辛い思いをするかもしれないから野球をさせないで」

と伝えるのもなんだか違うし・・・・

どうしたもんかな。。。

この冬は2番っ子の「野球部に入りたい!」に

どう対応したものかと考えることが多かったです。

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私から見ても、2番っ子はとにかく「頑張り屋さん」です。

家のお手伝いも一生懸命してくれます。

最近は朝食の準備も自分でしているし、学校の給食がない日は自分で昼食も準備しています(チンがメインだけど)。

使った食器は必ず洗っているし(洗い残しも多いけど)、愛犬の世話も1番っ子と一緒にしてくれるし、時々トイレの拭き掃除やお風呂掃除もしてくれます(こちらも上手とはお世辞にも言えないけど)。

宿題も毎日、言われなくても自分から取り組んでいます。

たまに家族でお出掛けしたときには

お手伝いの対価として得られたお小遣いを持って「何買おうかな~」とワクワクしています。

アレもコレも買うとあっという間にお金なくなっちゃうから買い過ぎは駄目だよ

とチクリと釘を刺すと

「大丈夫だよ!お金を渡すと丸いお金をいっぱい返してくれるんだよ。

だからお財布の中はお金がいっぱいだよ!!紙はないけどね」

と1円玉や10円玉がパンパンに入った小銭入れを自信満々に見せてくれました。

それ、浪費の証よ ┌( ´_ゝ` )┐

 

・・・・・・まだまだ教えなきゃいけないことはいっぱいあるなぁ・・・・

今年の誕生日で10歳になる2番っ子。

当然分からないこと、上手に出来ないことは山ほどあります。

だから主体性を明け渡すのはもう少し先。

アレヤコレヤ言われずに1番っ子みたいに自由にやりたいだろうけど、

ついつい食べ過ぎちゃったり無駄遣いすることもあるだろうし、なんだかんだで危なっかしい。

日々の頑張りに感心することはあっても油断は大敵です。

でも大人に色々なことを教わりながらたくさんの経験を重ね、

いつも本当に楽しそう。

この姿を見て、「楽しいこと」も「やらなければいけないこと」もきちんと取り組もうという

「やる気の心」はしっかり育ったな~

と、内心ほっと一安心していたりする今日この頃。

「やる気の心」は、将来に向けて「自分自身が頑張る心」の源です。

そしてゆくゆくは、自分の能力と責任と努力と気遣いと自由を同時に有する

「主体性」へと繋がります。

将来の為にも、これからも元気に明るく楽しく

2番っ子の「やる気の心」を伸ばしていこうと思います。

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ところで、先日駅弁を買って家族で食べる機会がありました。

駅弁初体験の我が子たち。

電車大好きで食いしん坊な2番っ子は、「こんな素敵な楽しみ方があったとは!!」と目を輝かせて大興奮していました。

食べ終わったお弁当箱を捨てずにとっておきたいというほど。

紙蓋にタレが染み込んでいるがな(汗)

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「ねぇ、お母さん。大人になったら

一緒に電車のお出掛けをして駅弁食べようよ」

うん、いいよ。

約束ね。

 

2番っ子は、「大きくなったら一緒に〇〇しよう」とお約束をすることが大好きです。

「ドコドコに旅行しよう」とか「アレソレ買おう」とか

しょっちゅう将来のお楽しみを考えています。

未来に展望を持てるなんて素晴らしい。

いつも「お母さんと一緒」だけど(笑)。

 

一年生の時は「大きくなったら一年生の先生になって、5時間目が終わったらバスの運転手さんをして駅まで行って

電車の運転手さんもして〇〇駅から△△駅まで運転して(たった3駅!)、またバスの運転手さんしながら5時におうちに帰ってお母さんとご飯食べるの」

と何処から突っ込めばいいか分からない夢を抱いていました。

ちなみになんで支援級の先生はしないの?と聞いたら

「5時間目で帰りたい」と即答(苦笑)。

でもしばらくしたら「××になりたい」は言わなくなりました。

理由は「べんきょうが苦手だから」「うんどうが下手だから」。

えー

そうかい?

入学直後から勉強も運動もよく頑張っているじゃん。

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きっと2番っ子は普通級で過ごす時間のなかで、周囲と比べて

出来ないことが多い自分に気づいていたのだと思います。

目標を夢にして頑張るって大変だよね。

無理せず自分のペースで少しずつ成長していけばいいからね。

 

いま抱く夢は「目標」ではなく「お楽しみ」で十分。

ところで、必ず「お母さんと一緒」というのは

これからどんな風に変わっていくのかなぁ。

1年以上そう思い続けてきたのですが

ある日ふと気づきました。

 

「野球部に入りたい」

 

私はいつも聞き流していたけど、2番っ子は毎日のように

そこに私が存在しない夢を語っていたことに。

「お楽しみ」ではなく「目標」を抱いて毎日ペットボトルを振っていたことに。

 

私は「いつ、どうやって諦めさせようか」ばかりを考えていたけれど

ひょっとして2番っ子は先生からとても大切なことを教えてもらっていたのではないだろうか・・・

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先生の異動が発表されてから離任式の日の朝まで

「先生卒業、嫌だな・・・」と部屋の隅で

もともと丸い身体をさらに丸くするように座り呟いていた2番っ子。

「あと50年はいまの小学校ではたらいてよ~(涙)」って。

定年超えちゃうやないか~い!!

色々突っ込みつつ、3年生最後の登校は

ちゃんと「ありがとう」を言ってきなさい!

と言って送り出しました。

 

そして数時間後「ちゃんとお別れしてきたよ」と帰宅。

その後は部屋の隅で、再び丸い身体をさらに丸くしていました。

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暫くそっとしていたら「先生からお写真もらった」と私にA4サイズの紙を差し出してくれました。

その紙には2年生と3年生の時の2番っ子とお友達が写っている写真が4つ、

その下に先生と2番っ子が手をつないで並んでいるツーショット写真が1つ印刷されていました。

そして裏を見ると先生から直筆のメッセージが書かれていました。

しかしそれを見ても「読めないんですけど!」

とプンプンする2番っ子。

それもそのはず、高学年以降に習う漢字もしっかり書かれているし、

訂正線(間違えた ⇐コレ)もあるし。

急いで作ってくれたのかな

ちょっとおっちょこちょいな感じが若い先生らしいな

とフフフと笑ってしまいました。

 

「読んで~」とお願いされたので一緒に並んで座り、

一つ一つの文章をゆっくり読んであげました。

 

二年生の時のこと、たくさん叱られたこと、支援級でのこと。

 

色々あったけどこの小学校で君と過ごせて先生はとても幸せでした。

 

そして最後に

 

2番っ子さんから「野球部に入りたい」と聞いた時、先生は本当に驚きました。

でも夢を抱くことはとても素敵なことです。

先生はいつまでも2番っ子さんを応援しています。

頑張れ!!

 

と書かれていました。

 

そうだね。

夢は叶えるだけが全てじゃない。

「抱く」それ自体が素晴らしいこと。

そこに至るまでに、そしてそこから先にもたくさんの素敵がある。

 

先生はずっと君を応援してくれるって。

先生とのお別れは寂しいけど、私たちもずっと先生を応援しようね。

そう言って頭を撫でると、2番っ子は涙を堪えながら目をぬぐっていました。

 

この子にとっても、先生と過ごせた時間は本当に幸せなものだったはず。

1・2年生の時の支援級担任の先生も、保育園の時の先生も、この先生と同じく

2番っ子はお別れの時に涙を堪えていました。

離れたくないと思うくらいに大切な人との出会いを経験できるなんて。

教えられるだけでは得られない学びを

温かい人たちからたくさんもらうことができたのでしょう。

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そろそろ春休みも終わりを迎えます。

子どもたちの新しい学校生活が始まります。

次はどんな素敵な出会いがあるのかな。

人知れずワクワクしちゃう私です。

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今日も読んで頂きありがとうございました☆