皆さんこんにちは。
今回は自分達が亡き後または非常に重度の障害を負った場合に、障がいを持つ家族がお金に困らないようにする為にできる備えの代表格「心身障害者扶養共済制度」についてお話しします。
もし子ども達の父親が亡くなったら・・・我が家の場合
いつ何処で何があるか分かりません。
マイダーリンが「ちょっと昼ごはん買ってくる!」と言って出かけて行った先で車に跳ねられてそのまま天国へ・・・なんてことも、もしかしたらあるかも。可能性はゼロではありません。
母子家庭になった際に、我が家に入るお金について考えてみました。
多い!?少ない!?死別により我が家が母子家庭になったら支給される公的手当
以下は不幸にもマイダーリンがなくなった場合に、子供が18歳の年度末(3月31日)まで支払われる公的手当です。
遺族基礎年金・・・年額 779300円 + 224300円(2人目分加算)
厚生年金分のプラスαもありますが、我が家の場合雀の涙なので敢えてここには書きません(´;ω;`)。
児童扶養手当・・・月額 42290円(1人目)+ 9990円(2人目分加算)
年間にすると、遺族基礎年金は1.003.600円、児童扶養手当は627.360円です。
合わせて1.630.960円です。月額にすると135.913円。
正直多くはないですね。住宅ローンと食べ盛りの子どもの食費を払っておしまいになりそうです。
借金が残っていたら一人で返済も頑張らなきゃ(汗)
民間の生命保険(掛け捨てタイプ)に入っていれば1000万円~3000万円は入るでしょうが、いつかは使い切ってしまうものなので安心できません。
子どもたちの学費や日用品費、それ以外にもいくらかかるんだろうと考えると頭が痛くなってきます。
亡くなるのが私だとしたら、住宅ローンは団体信用生命保険でチャラになり色々と話が違ってきますが・・・でも現実問題、医療系国家資格持ちの私と無資格のマイダーリン。仕事や家事、子供の面倒、多くはない収入等のライフワークアンバランス・・・住宅ローンがなくなっても色々な問題がのしかかってくるでしょう。どちらにせよ苦しい生活が待っていそうです。
またこれら手当の支給は、基本的に子供が18歳になった年度に終了してしまいます。その後の金銭的支援はありません。
子どもたちを支えるために私も一生懸命働き続けたいですが、私も人並みに歳をとりますし病気にだってなるかもしれません。貯金や保険で一時的な生活費を賄うことならできるでしょうが、歳をとってからもずっと子供達を経済的に支え続けてはあげられないでしょう。
我が子達は2人とも軽度とはいえ知的障がい児。大人になったらは就労して自立してほしいし、そうなるように日頃から様々な社会的支援を受けて本人たちも一生懸命頑張っています。しかしうまく行けるかはその時にならなければ分かりませんし、就労できても高収入の職に就ける可能性は低いでしょう。
軽度の知的障がい者は、身体は健康であり障がいの程度も軽度であるがゆえに障害基礎年金や障害厚生年金、その他障害を根拠とした公的手当の支給対象になる可能性はほぼゼロです。本人や家庭の努力、支援教育・療育等により障害による課題が軽減すればするほど公的手当を受け取れる可能性はなくなります。
しかし社会的に見れば、健常の方たちと肩を並べて仕事ができるかどうかは微妙なのです。我が家は資産はないので、我が子たちが大人になったときにまともに収入を得ることができなければ生活保護受給ありきの生活をさせるしかないでしょう。
しかし私たちも親。自分たちは貧乏とはいえ子供達にはお金に困るような苦労はしてほしくないのです。
保護者亡きあとに障がいを持つ子供が、生涯に渡り年金を受け取れる「心身障害者扶養共済制度」
そこで注目してほしいのが心身障害者扶養共済制度です。これはあくまでも任意によるものですが、出来るならば絶対に加入しておいたほうが良いでしょう。
これは障がいを持つ子の保護者が、国民年金と同様に毎月定められた掛金を納めることにより、保護者亡きあと又は重度障がい者になってしまった場合にその子供が年金を一生涯受け取ることができる制度です。申し込みは各自治体の役所担当窓口です。
受け取れる年金の月額は一口2万円。
お子さん一人当たり2口まで加入できます。なので受給できる最大月額は4万円です。
例えば20年間年金を受け取るとすれば、1口加入ならば4.800.000万円、2口加入ならば9.600.000万円です。
当然お子さんが長生きすればするほど受け取れる年金額は増えていきます。
対象になる子供の障がいの種類や程度、年齢は?
・知的障がい
・身体障がい1~3級
・精神または身体に永続的な障がいがあり、上記2つと同程度
「将来独立自活することが困難であると考えられる」状態であり、主に重度から中度の障がいを持つ方が対象となる年金制度ですが、知的障がいに限っては具体的な程度を定めてはいません。そして驚くべきことに、様々な努力や援助により本人の障がいの程度が軽減し上記状態とみなされなくなったとしても、その後も掛け金を払い続ければ年金を受給することができるのです。加入時の年齢の制限もありません。何歳でも加入できます。
つまり我が子の場合、加入時に療育手帳を所持していれば加入の対象となるし、今後知能検査の結果により知的障がい児としてみなされなくなったとしても掛金さえ払い続ければ行く行くは月額2万ないし4万円の年金を一生涯約束してもらえるわけです。
となれば低収入であろうとも本人に合う何らかの職に就くことができれば、この年金と合わせてなんとか生活していくことができるかもしれません。ちょっと希望が湧いてきますね!
加入できる保護者の条件
加入に際して保護者に難しい条件はありません。
大雑把に言えば、加入時に満65歳未満であることと、生命保険に加入できるような健康状態であることです。
月々の掛金はいくら?
支払うべき掛金の月額は少々ややこしいです。加入時の保護者の年齢により異なるからです。基本的に年齢が上がれば上がるほど高くなっていきます。
月々の負担を減らしたいなら少しでも保護者自身が若い時に加入しておくほうが良いかもしれません。
↓↓↓こちらは一口あたりの掛金額です。
~34歳 9300円
35~39歳 11400円
40~44歳 14300円
45~49歳 17300円
50~54歳 18800円
55~59歳 20700円
60~64歳 23300円
35歳以上だと月々1万円以上払わないといけないんですね。
高いな~と思うかもしれませんが、支払った掛金の全額が所得税・地方税に関する所得控除の対象となります。その為かなりの節税効果があったりもするのです。
現在の節税&将来子供達に入ってくる年金額を考慮すれば、掛金自体は決して高いものではないはず。
保護者は生きている限り一生掛け金を払い続けるの?
ご安心ください、そんなことはありません!
加入者である保護者が以下の2つの要件を両方ともクリアすれば、その後の掛金の支払い義務はなくなります。
1.満65歳以上
2.加入から20年が経過している
つまり45歳になるまでに加入して毎月掛け金をきちんと払い続けていれば、65歳になるあたりから掛金は支払わなくても大丈夫!ということなのです。
よし!そういうことならばマイダーリンが45歳になるまでに絶対加入するぞ!!
(なるべく若いうちに加入して65歳になる年まで月々安い掛け金を支払うことが理想ですが・・・我が家は収入がもう少し安定するまでは掛け捨てタイプの安い生命保険で凌ごう)
脱退したら支払った掛金は返ってくるの?
年金受給開始前に脱退する場合、5年以上加入していれば脱退一時金が支払われますが、雀の涙ほどしかありません。支払った掛金が全額返ってくることはありません。
まだまだ掛け金を支払わなければならないにもかかわらず収入が少なくなって納付が困難になってしまった場合は、自治体によっては所得額に応じた掛金の減免をしてくれることもあります。
支払いをあきらめずに、まずは脱退ではなく担当窓口にて相談をしましょうね。
まとめ
人生山あり谷あり、努力は大事。だけど障がいを持つ故の苦労を我が子にははさせたくない。
心身障害者扶養共済制度あそんな親心の支えになってくれる有難い制度です。
障がいを持つお子さんがいる方が、お子さんの将来について前向きに一歩一歩考え進んでいくためにも是非知っておいてほしいです。
制度の詳細は下記からご覧ください。
今日も読んでいただきありがとうございました。
障害のある子が「親なきあと」にお金で困らない本 [ 渡部伸 ]
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