プライベートなことを書きまくっているので具体的なことは言えませんが、私は副業を含め日頃から障害を持つ人を様々な形で支援する仕事をしています。もう10年以上のキャリアになります。大学での学びや研究、ボランティアを含めるとさらに多くなります。
我が子2人も発達障害を持っていることから、公私ともに障害理解について分かりやすい良い本はないかと相談されることが時々あります。
そこで今回はそのようなときにお勧めしたくなる本を紹介したいと思います。
発達障害の子どもの心と行動がわかる本
児童精神科医師・臨床心理士の田中康夫さんが監修の本です。
各単元が1ページもしくは見開き1ページにまとめられているためシンプルで分かりやすく、表紙に描かれているような可愛らしいイラストがほとんどのページにあります。分かりやすく楽しい本です。
1章「発達障害とは?」
発達障害を誤解することなくとらえるための解説が分かりやすく丁寧に書かれています。
・発達障害の特性は個性の延長であり、色々なタイプの子どもがいる
・発達障害は劣っているということではなく、得意・不得意の差がはっきりしている
・発達障害の特性により周りの人たちと上手く付き合えないことがある。また自分から周囲の人に理解してもらおうとする様な行動が苦手
・周りの人たちの無理解や誤解により否定されたり叱られ続けて大人になると、劣等感や混乱を抱えた人間になる。逆に周囲の理解のなかで育つ子は安定した子供時代を過ごし希望に満ちた人生を歩むことが多い
・特性のあらわれ方や程度は人それぞれ。社会経験を積み困っている症状に折り合いがつくと特性が目立たなくなる⇒療育や支援が大切
その他「ふつう」と「発達障害」のとらえ方、スペクトラムとは何か、幼少期に見られる兆候、脳の機能、学校生活には困難を抱えている子がいる、等々多角的な面から発達障害について説明されています。
私は障害があるお子さんと向き合ったとき、まずこの子はどんな良いところがあって何が得意なのかというところに注目することにしています。
発達障害を持つお子さんは苦手なことや周囲を困らせる行動ばかりが注目されがちです。しかし当たり前のことですがその子にも注目されやすい不得意な点以上に良いところや得意なことがたくさんあります。
良いところ・得意なこと・苦手なこと・周囲から疎まれることは何かを知ることにより、偏り少なくそのお子さんを全体的にとらえることができるのです。そして良いところ・得意なところから課題解決の糸口を見いだせることが多々あります。
学校生活では、一人一人にじっく対応してくれる支援級などに所属している場合ならば偏り少なくお子さんをとらえてくれるでしょう。しかし普通級だったりそれ以上の大きな集団に所属している場合では周囲から偏ってとらえられることが本当に多いです。そして彼らはたくさんのお友達の前で叱られたり理解されずに孤立したりして人知れず苦しんでいます。
彼らの苦しみを和らげるためには、その子が持つ特性を含む全体像を理解した上で関わる必要があります。
2章「こんな様子が気になったら」
35の特性について分かりやすく解説しています。
1番っ子の幼児期前期~小学校入学時までの様子で当てはまるものを探してみました。
・言葉が遅い
・言葉で気持ちを伝えない
・親から離れてしまう/迷子になっても平気
・一人で遊ぶことが多い/友達の輪に入らない
・同年齢の友達ができない/人づきあいがうまくいかない
・独特なしゃべり方をする/おしゃべりが止まらない
・一度に複数のことをするのが苦手
・行事に参加できない/集団行動や共同作業ができない
・昔のことを昨日のことのように話す/終わりが分かりにくい
・姿勢の崩れが見られる
・すぐに行動してしまう/事故にあいやすい
・忘れっぽい/細かなところに注意がいかない
・特定の子どもを泣かす
・話を聞くことが苦手/話すことが苦手
うわ~、35項目中14項目も当てはまる。
でも現在では家庭での支援の他に学校の先生方や療育施設の方々のおかげで、ほぼすべての特性が和らぎました。しいて言うならば「一度に複数のことをするのが苦手」と「忘れっぽい/細かなところに注意がいかない」というところが気になるくらいでしょうか。
月曜の朝も登校前に半袖シャツで学校に行こうとしていたので上着を着ていくように声掛けたら渋々着こみましたが、その後学校の上履きや体操着が入った手提げバックを忘れていくということをやらかしていました。父であるマイダーリンがすぐに気付いて追いかけて行って、ことなきを得ましたが。まったく・・・
現在は気になるほどではありませんが、気を付けてほしいのが「すぐに行動してしまう/事故にあいやすい」です。これ、命にかかわりますので!
1番っ子が一年生の冬休み、お昼ごろに夜勤明けの私と2番っ子の3人で近所の大通りの交差点を通りかかりました。歩行者信号が青に代わり、1番っ子と2番子は待ってました!とばかりに2人で横断歩道内に駆け出しました。その時、赤信号に変わる前になんとか交差点を通り抜けようとして、実際すでに赤信号に変わっているにもかかわらずアクセルを踏んで直進してきた車に2人揃ってはねられてしまったのです。一瞬の出来事でしたが目の前で起こった衝撃で、夜勤明けの眠気は消え去ると共に目玉から心臓が飛び出すかと思いました。
2人は救急車で運ばれ命に別状はありませんでしたが、足を骨折しました。
骨折が完治してから警察署に呼ばれて聴取を受けました。警察官のおじさんからは「青信号になったからと言ってすぐに飛び出してはいけません。きちんと左右を確認してから横断歩道を渡りましょう」と約束させらた2人でした。
話は逸れましたが、以上のような特性について1ページずつに分けて要点をしっかりと説明していると共に関連する解説ページもしっかりとリンクされていて、どのようにお子さんを理解してどのように関わっていけば良いのかを優しく丁寧に教えてくれています。
その他、8章まで。この1冊でボリュームたっぷり!多角的に学ぶことができる
その後は、自閉症スペクトラムやADHD、LDなどの各障害についてどのような特性があるかをしっかり押さえると共に診断やかかわり方のポイント、療育プログラムやアプローチ方法、家庭や社会でできる支援について幅広く書かれています。
発達障害を持つ人と関わったことがある人ならば「そうそう、こういう子いるよね~。って言うかうちの子じゃね?」「こういう時はこう考えてこんな風に接すればいいのか~」と思えることがたくさん書いてあります。
全8章221ページもあり、本自体は結構な分厚さです。内容はシンプルで難しい専門用語は一切なく、項目も細かく分かれているために大変読みやすいです。家事や育児の合間に手に取って読むことができます。結構大きく分厚いのでお出掛けの時に持って行って空き時間に、というのはお勧めできませんが(でも実は、電子書籍も出ています。電子な分、ちょっとお得⇒イラスト図解 発達障害の子どもの心と行動がわかる本【電子書籍】[ 田中康雄 ]これならどこでも気軽に読めますね!)。
これで1620円はお得です。これから発達障害について学びたい、発達障害を持つ子をもっと分かってあげたいのにどうすればいいかが分からない!という方には是非一度手に取っていただきたい一冊です。各レビューにも「読んでよかった」という親御さんのご意見が多数載っています。
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himawari0growing.hatenadiary.jp
今日も読んでいただきありがとうございました!